平成23年に柳川ブランド品に認定された「福岡のり」。今回は、海苔師さんと漁連さんに取材を行いました。

2 摘みたて海苔が板海苔になるまで

今回は、海苔師の田中さんと、漁連(福岡有明海漁業協同組合連合会)の西田さん2人にお話をお聞きします。
竹井
まずは、漁業団地に行きますよ。
ハルカ
団地? 皆で住んでるの?
竹井
…。
数軒の漁家が共同で1つの大型加工場を経営しています。 その加工場の集まりを漁業団地と呼んでいるのですよ。 今日はその中のひとつ、「心和水産」の田中さんにお話を伺います。
ハルカ
はい。
竹井
ハルカ
こんにちは〜!
田中さん
こんにちは。
田中さん
ハルカ
今日はよろしくお願いします。 まずは、田中さんのお話をお聞かせください。 田中さんは、いつからこの仕事に関わられているの ですか?
田中さん
私は、高校を卒業してから、この仕事についています。25年くらいかな。海苔養殖業は、じぃちゃんの代から続いています。
ハルカ
25年ー!この工場は出来てどれくらいになるのですか?
田中さん
7年目です。5軒が集まって共同経営しています。
ハルカ
シェア事務所みたい。
何で共同経営をしているんですか?
田中さん
海苔養殖には、船や加工設備、燃料など多くの設備投資や経費が必要です。大型機械を使って、共同で作業する事で、生産コストを下げることもできるし、品質も安定します。さらに、皆で丁寧に育てているので、海苔の病気予防にもつながり、美味しい海苔を安心して提供することができます。あとは…個人でやっていた時は、家族総出で作業をして、親にもずいぶん無理をしてもらいましたからね。みんなで作業を分担しているので、年をとった親に無理をしてもらわなくてもいいようになりましたね。
ハルカ
田中さんの考えがしみる。。。
田中さん
そうだ、佐賀と福岡の若手で集まって、テイスティング大会を開いているんですよ。(テイスティング大会では、見た目の色・つや、味、総合で競います。)味部門では福岡の海苔が賞をもらうことが圧倒的に多いです。柳川の海苔は職人の手によって1枚1枚が味のある仕上りになっていて、美味しさには絶対の自信があります!
ハルカ
海苔師という海苔を育てるのプロの中での賞なので、自信につながりますね。美味しいんだろうな。
田中さん
今作業しているのは、11月に初めて水揚げされた「初摘み」の海苔加工です。それでは、加工場を案内しますね。どうぞ。
① 海で摘採した海苔を一旦溜めておくところです。
海苔のタンク
ハルカ
ん? どうやってここまで運ぶのですか?
田中さん
すぐ近くに漁港があります。そこに船をつけて、船底のタンクから海苔を吸い上げ、地面の中のパイプを伝って、加工場まで運ばれます。
ハルカ
へー! どれくらい入るのですか?
田中さん
1槽25t。約5万枚分ですね。これが6槽あります。 最盛期の1月2月は満杯。1週間機械がまわりっぱなしの時もありますよ。
ハルカ
それは忙しか…。すごい量やん。
② 異物除去×2回
最初は、1mmの隙間を通して残った異物を取ります。次は0.1mm。異物は鳥の羽、藁、えびや小さなカニが多いですね
海苔がざるに溜まっている写真
残った異物。異物と一緒に隙間を通れなかった海苔もでてきます。
③ 口溶けがいいように、海苔をミンチにします。  採れたての海苔は、長さが20cm〜30cmもあるのですよ。
海苔をミンチにしている写真
④ 海苔と水を混ぜ合わせ、濃度を調整して、均一の厚さで板状に成形します。
板海苔
⑤ 3時間乾燥させます。
海苔を乾燥しているところ
最盛期では、1日で24万枚もの板海苔ができます。
⑥ 緑のコンベアに乗った、海苔が進んで行きます。途中、チェックの機械を通り、乾きの悪いものがハネられていきます。
⑦ 金属検査・異物検査の機械に通します。
海苔がベルトコンベアを通り過ぎている写真
⑧穴が空いていたり、藁が残っていたらハネます。
ハルカ
0.1mmの異物取りをしてもまだ残るのですね。そしてそれを見つけることができるのですね〜。
↓異物形状選別機
異物検査機
異物検査機
異物検査機の画面を拡大したもの
異物検査機の画面を拡大したもの
写真の破線部分は、板海苔を広げた状態を表しています。ここに穴や異物の入っている場所が表示されます。
⑨合格した海苔は10枚で1帖(じょう)にされ、二つ折りになって出てきます。さらに10帖で1束となり帯を巻きます。(1帖は縦21cm×横19cmと全国で統一されています。)
海苔の束が並んでいるところです
海苔の帯付きの束が並んでいるところです
⑩ 両端を削り、縁を整えます。
異物検査機
竹井
海苔が削られると粉が出ます。それを粉海苔と呼んでいます。
ハルカ
粉海苔もまたおいしいんですよね〜!
竹井
柳川ではフライパンで炒って、ご飯にかけたり、ほうれん草の海苔和えにして食べますね。一般にはほとんど流通してない、産地ならではの海苔です。
⑪ 箱詰めして、各漁協で等級をつけて入札へ。
田中さん
今板海苔になった初摘みは「一番摘み」とも呼ばれ、口溶けがいいですね。風味が強いのも特徴です。
ハルカ
田中さんが海苔に関わるとき、こだわっていることや気にかけていらっしゃることを聞かせていただけませんか?
田中さん
やっぱ…人に負けん海苔を作ること! (人に負けない) 負けず嫌いだから、人より美味くてよか海苔を作らやん。(人より良い海苔を作りたい)そして、その1番おいしか海苔を皆に食べて欲しか。色んな海苔があるけど、やっぱ、美味しか海苔ばね。(美味しい海苔をね)
ハルカ
… 田中さんの作った海苔を食べたいです。
田中さんが思う、一番美味しい海苔の食べ方って何ですか?
田中さん
おれの〜? 変わった食べ方やけんなぁ〜。
海苔を焼く→醤油をつける→カレーとご飯を巻いて食べる。
ポイントは、カレーのルーとご飯を良く混ぜておくこと。焼き海苔にわさび醤油をつけて、刺身を巻く。これもうまいっ!
田中さんと垣外
ハルカ
お腹すいてきました。海苔師オススメの海苔の楽しみ方、今度やってみます!今日はありがとうございました。